竹内政明さんの「名文どろぼう」を読んでいたら
芸術はバクハツだ!の岡本太郎の父上である
岡本一平の電文が、わが身に染みた。
「カノコビョウキ、カイフクノミコミ」
その二日後、
「カノコキトク、キボウヲステズ」
そのまた二日後、
「カノコヤスラカニネムル。キヲオトスナ。
ボクハキミノタメニイキル。スコヤカニアレ。
クルシケレバ、デン(電)ウテ」
岡本太郎がパリに留学中、母かの子が病に臥し、
やがて亡くなる。そのわずか数日間のもの。
父一平が、パリの息子に送ったこの短い電文に
一平の人柄が詰まっている。
こんなのもあった。
僕が母のことを考えている時間よりも
母が僕のことを考えている時間の方がキット長いと思う。
NTTのお祝い電報のポスター
NTT「秀作ネーミング事典」日本実業出版社
遅ればせの親孝行・・・・
そして次の老人のことばで、少しばかりわたしは救われた・・・つもりでいる。
「誰でも、生まれた時から五つの年齢までの、あの可愛らしさで、
たっぷり一性分の親孝行はすんでいるのさ、五つまでの可愛さでな」と・・・
岩崎老人 安部譲二「塀の中の懲りない面々」文芸春秋
師走も半ばを過ぎ、ふるさとの老親を思い、わが身をふりかえる。